暮らしを彩る出版社
出版物
金澤翔子の母・泰子さんの言葉
翔子がダウン症になったのも、一つの運命。今では「翔子は障害に守られた」とすら思えるようになってきたのです。翔子は障害を持つゆえに、厳しい競争にさらされることなく、一心に書と向き合う時間をたくさん持つことができました。金澤翔子という書家は「自然に身を任せた生き方」の中で、その力強く大らかで優しい作風を存分に育むことができたのです。それこそが「障害に守られた」と思える理由です。
この本は、建長寺書展の作品を集めた作品集です。でも同時に「障害を持つ子供たち」「そのお母さんやお父さん」「震災で被害を受けた人々」「自分は今、不幸であると思っている人々」……全ての弱き人々へのエールでもあります。本書が、皆さんの勇気と平和に、そして明日からの希望につながることを、お祈りいたします。
(あとがきより)