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思春期編その23「いつか自立して生活できるように」

親子コミュニケーション

 子供が困った状態に陥ると、誰かに相談したくなるものです。以前、「ネットに掲載されているものは、あなたの子供のことについて書いてあるわけではない」と言いましたが、幼いころからよく知っている、ママ友や担任の先生だったら〈この子のことを分かってくれてい 近ごろ、「高学歴ニート」という言葉を耳にします。偏差値の高い大学を卒業したのに働かない。時々アルバイトに行く程度で正社員にならない。そういった人のことを指す言葉です。
学生時代に熱心に勉強して難関大学に入ったのに、卒業した後に就職しない。働き始めたけれど、すぐに辞めてしまい、次の就職先を探さない。こうなってしまう原因は、それまで「いい成績を取ること」が目標になっていたからかもしれません。
努力なしでいい成績を取ることはできませんから、努力する力は付いているはずです。いい成績だと親も喜ぶし、褒められることも増えます。勉強の成果は、自分の努力次第で数字となって現れます。目標を達成するために頑張りやすいといえます。

そして難関大学に進学すると、周りの評価も高くなります。ところが、大学を卒業してしまうと、自分のしたいことが見つけられないとか、自分のやりたいことではないから働くことに向き合えない。これは、勉強する力があっただけで、自立する力が付いていないということです。
病気や精神的なダメージを受けての休養や治療期間とは違い、心身ともに健康なのに働かない人というのは、学生時代が終わると、自分でお金を稼ぐために働かなければいけないという、自覚ができてないのです。つまり、親から自立できていないということです。
自分のしたいことが見つからなくても、できる仕事はあるはずです。仕事をして、お金を稼いで生活することはできるはずです。収入がまだ少ないうちの実家暮らしは、よくあることですし、一人暮らししているからといって自立できているとは限りません。

最終的に、どんな仕事であれ、いつか自分で稼いで生活できるようになるために、学生時代に勉強するのです。とにかく、いい大学に入るためではなく。親は、いつか子供が自立して生活できるように、そして将来、世のため人のために活躍できるように、育てていかないといけないのです。

『芸生新聞』2023年9月4日付掲載

臨床心理士の考える子育てのヒント

1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。

川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師

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