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  • 「苦しさをのりこえて仕事の中に喜びを①」プロフェッショナル研究 Chapter1-1
プロとアマチュアの違いは何か…。 自分の仕事に誇りを持ち、より充実した生活を送るためのヒントが満載。きっと誰もが今からでも変われます!本当の「自分」を発見し、マンネリズムから脱出しよう。 1982年(昭和57年)から1984年(昭和59年)までに連載された、芸術生活社発行『自己表現』の「プロフェッショナル研究」を原文のままお届けします。

「苦しさをのりこえて仕事の中に喜びを①」プロフェッショナル研究 Chapter1-1

ビジネス

プロは、一年365日一日24時間、寝てもさめてもプロだ。
アマチュアは、
都合がよく、やりたいときだけやる。

しあわせはおいらのねがい

仕事はとっても苦しいが

流れる汗に未来をこめて

明るい社会をつくること

みんなと歌おう

しあわせの歌を

ひびくこだまを追って行こう

 

学生のころこんな歌が流行した。
といっても今のように歌謡ベストテンの上位に並んだり、レコードが大ヒットしたりという流行ではなく、学生の反戦集会やデモなんかのときに歌われる歌の中で人気があるほうで、何回も歌われたという程度の歌である。
当然ながらセンバツの行進曲にはなっていない。それほどの話題性はなかった。
こんな歌を歌う人はもうあるまい。知っている人も少ないだろう。
だから今になってこの歌に批判がましいことを言ってみても仕方ないかもしれない。
だが、人間一般はしあわせを求めており、仕事は苦しいけれどその苦しさの先にしあわせがあり、未来のしあわせのために希望を持って働こうという考えは今でも社会の、かなり上質の人たちに持たれている考えではなかろうか、と思う。
それ以下の連中は要するに怠惰(たいだ)で、仕事は辛いからしたくない、遊んで暮らせるならそれがいちばん良いという考えで、機会がないから犯罪者にならないだけの人間であって、少なくともこの稿の読者としての対象にはならない。
この、仕事はとっても苦しいという、今では自明のこととされている観念に私は疑問を持つのである。
もちろん人間には調子の良いときと悪いときがあって、本当に仕事の辛いときもある。
そうでないときでも、のんびり寝そべって好きな音楽でも聞いているのと、何か自分の仕事をしているのでは気分の上で大きな差がある。
そういう安楽な、のんびりした時間、遊びの時間をとることに関して日本人はことのほかへたくそで、それが働き過ぎなどという批判を受ける原因となっているのだそうである。休養が不要だなどというつもりはない。
月月火水木金金は大日本帝国海軍のモットーだったということだが、あのやり方は結局のところ非効率を招き、異常事態に対する対応がおくれることになる。知人の一人に、人間の睡眠曲線を調べ、眠ってから一時間ほど深く眠り、その後五時間は半睲(はんせい)半眠、そして最後の一時間が深い眠りだと知って、眠って一時間で起き、五時間仕事をしてまた一時間眠り、これで七時間眠ったのとほぼ同様だ、と称していたのがいて、理論上はそうかもしれぬがと、釈然としないものを感じていたら、しばらくたってその男が神経障害を起こしたので、そう理屈どおりにはいかぬものだとあらためて思ったことがあるから、休養や遊びが必要なものだということはわかっているつもりである。
だが、ここがプロフェッショナルとアマチュアの違いということになるのだが、プロフェッショナルはその休養も仕事のためである。
休養をとる、遊ぶということは、仕事の能率を上げるためのテクニックの一つであって、決して休養や遊びそれ自体が目的ではないのである。

つづく

月刊『自己表現』1982年6月号から原文のまま

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