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子育ての中にはいろいろな発見があります。親として、何かを感じ、経験し、学んだこと…。それは自分にとっても周囲の人にとっても大切な宝。その発見の感激を毎回手記でお届けします。

「友達100人できたかな」Episode4

子育て web限定
ペンネーム
ななつぼし
年齢
30代
家族構成
夫、長男(9歳)、次男(6歳)、三男(0歳)

長男が3歳、次男が生後2カ月のころに主人の転勤が決まりました。初めての引っ越しということで、荷造りを始める前に家族会議を開きました。「パパのお仕事の都合で引っ越しをすることになりました。パパもママも喜んでお引っ越しをします。新しい所もきっと楽しいから、喜んで行きましょうね!」と子供たちに伝えました。
引っ越し先では、新しい生活にちょっとした緊張もありましたが、子供たちは周囲に溶け込み、とても楽しい日々を過ごしていました。ずっとここにいたいという気持ちもありましたが、長男の卒園アルバムの写真撮影当日に、2度目の転勤が決まりました。あと4カ月で卒園だというのにまた転勤って……。仲良くなったママ友たちと別れたくないと思いながらも〈私がこんなことじゃいけない。しっかりしなきゃ〉と腹をくくり、長男と次男を呼んで、「パパのお仕事でまたお引っ越しをすることになりました」と伝えました。
またもや新しい生活が始まりましたが、私自身がママ友たちとの別れがつらくて、何となく楽しくない気持ちになっていました。そんな時、前の幼稚園のママ友から「T君(私の長男)が引っ越しをして、幼稚園に来なくなったから寂しいと子供が言っている」と連絡があったのです。そのことを長男に伝えると「引っ越しは、されるほうは友達が減るから寂しいんだよ。でもね、引っ越しをするほうは友達が増えるからうれしいんだよ」と言うのです。〈何てポジティブなんでしょう。子供ってすごい。喜んで引っ越しをすることを覚えてくれてたんだ!〉と感動してしまいました。長男の言葉が私の不安を吹き飛ばしてくれました。
その後も主人の転勤は続き、現在、長男は3つ目の小学校で3年生に、次男は3つ目の幼稚園で年長になりました。長男は「僕ってあっちこっちに行けてラッキーだよね。友達が100人できたかなー」とうれしそうに言うのです。その上「僕は、今しかできないことをするよ。この小学校にいる間にしかできないことをするよ」と言って、小学校では珍しい早朝弦楽器のクラブに入ったり、サッカーを習ったりしています。
主人の仕事が生活の中心なので、転勤は仕方がないと腹を据えて暮らしています。不安があっても、取りあえず楽しみながら新しい生活に取り組むことで、子供たちもついて来てくれているのだと思います。いつの間にか、子供たちに励ましてもらっていることもあるのです。
最近では、私が衣替えのために段ボール箱を触っているだけなのに、子供たちは目をキラキラさせながらやってきて、「もしかして……? 」と聞いてくるようになりました。

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心機一転(しんきいってん)

ターニングポイントは、気持ちを入れ替えるチャンスです。