コラム

子育ての中にはいろいろな発見があります。親として、何かを感じ、経験し、学んだこと…。それは自分にとっても周囲の人にとっても大切な宝。その発見の感激を毎回手記でお届けします。

「むすこの字幕」Episode6

子育て web限定
ペンネーム
なるめ
年齢
30代
家族構成
夫、長女(13歳)、長男(11歳)、次女(7歳)

息子が小学生になってからのことです。文字を覚え、ひらがなが読めるようになると、テレビ番組を字幕で見るようになりました。呼びかけても返事をしないことがあったので、耳が聞こえにくいのかなと思って本人に尋ねたのですが、耳はよく聞こえているようでした。聞こえているのなら字幕は必要ないはずなので、字幕で見るのをやめさせたいと思い、何度も言うのですが、その場では消すものの子供たちが寝た後にテレビをつけてみると設定を戻していたようで、やはり字幕が出てきます。
私は、〈まだ字幕で見てるんだ。やめてほしいな……〉と思うばかりでしたが、明らかに息子の字幕は癖になっています。
ある日息子に尋ねました。
「字幕は耳が聞こえない人のためにあると思うの。あなたは耳が聞こえるのでしょう? だったら字幕は必要ないよね。どうしていつも字幕にするの?」
「お母さん、僕は漢字を見ているんだよ」
「……。えっ????」
「字幕だと、知らない漢字が出てきても、音を聞けば読み方が分かるでしょ。僕はそれで漢字を覚えているんだよ」
あ然としました。そんな理由で字幕を見ていたとは知らず、私はこの数年ずっと息子に腹を立てていたのです。テレビを見ている時に返事をしないのは、周りの音が聞こえないくらい集中していたからだったのです。
私は自分の思いにとらわれ、息子の思いをきちんと聞いてやれていなかったことを反省しました。
子供の話をよく聞いてみると、とてもおもしろいのです。表現の仕方を工夫していることも味わえます。子供は子供なりに工夫して学び、こちらが考えつかないようなこともたくさんあります。
これからもいろいろなことに興味を持ち、たくさんのことを学んでほしいと願うばかりです。

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小学校4、5、6年生のみなさん、朝起き、整理整頓、家のお手伝いはできていますか?保護者の皆さんは、お子さんの話を丁寧に聞いておられますか?子どもにとって大切なこと、するべきことが一つでも、少しでもできるようになれば、子どもの心も保護者の心も楽しくなり、家の中がより明るくなるでしょう。そのための提案やアドバイスを手紙にして、親子それぞれにお届けします。

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