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プロとアマチュアの違いは何か…。 自分の仕事に誇りを持ち、より充実した生活を送るためのヒントが満載。きっと誰もが今からでも変われます!本当の「自分」を発見し、マンネリズムから脱出しよう。 1982年(昭和57年)から1984年(昭和59年)までに連載された、芸術生活社発行『自己表現』の「プロフェッショナル研究」を原文のままお届けします。

「努力は誇りを生み、成功する可能性を広げるⅠ」プロフェッショナル研究 Chapter6-1

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感動を覚える作品は、感動的な人が造る。努力と創意工夫がその人を輝いて見せる。
そこまでやらなければいけないのか…。プロの苦闘の日々は第三者を唖然とさせる。

先日福井教会(注1)へ行った。壮年会の会合や、中学生高校生の会、それに小学生中学生の子供のあるお母さんの方の集まりなどというのもあって講師ということで呼んでもらったのである。
地方教会へ行くのは楽しい。初めて会う人、初めて見る土地、初めて飲む酒、初めて食べる料理、初めてでなくとも、良い人、美しい景色、おいしいものとくれば悪い気分はしない。
その上、皆さんが私の話すこと――ことわっておくが、私自身が悟ったり発明したことなど一つもない。全部おしえおや様(注2)に教えていただいたことである――を喜んで聞いて下さる。少しはお役に立てたかなと思うと、ほのぼのとした嬉しさが湧いてくる。人間は人に何かしてもらうより、自分が人に何かしてあげるほうが嬉しいものだというおしえおや様のお言葉が実感される。
さて、福井教会でのそういう行事がみんな済んだあと、福井名産越前焼を見に行った。
越前焼というのは陶器である。お好み焼や鉄板焼とは違う。お好み焼なら見には行かない、食べに行ったと言う。
石川県の九谷焼が精巧なら、越前焼は素朴である。県立の陶芸館があって、そこの陶芸教室へ行くと粘土を一キロくれて自分で好きなものを作ってよいという。でき上がったらそこの先生が適宜色づけをして焼き上げて下さる。
一週間か十日するとできあがりが届くのだそうな。小学生のころから手芸工作の類はまるでだめな私だから、見物するだけにしておいたが、今になってやっておきゃよかったと未練がましい思いがする。
プロフェッショナル研究、今回は読書案内でなく観光案内かよ、と言われそうだが、この陶芸館の帰りに面白い人に会った。その人のことを書こうと思ってるんだ。
その人は木村盛和氏という陶芸家である。福井県立の陶芸館の近くに住んでるんだから越前焼の作家かと思ったら、そうじゃなかった。
NHKのTVで紹介されたこともあり、陶芸の世界じゃかなりの有名人なんだって。私は全く知らなかった。
この人の専門は特殊なうわぐすりなんだそうな。最近の陶芸家の中には色よりも形に独創性を求める人がいて、いったい何だろうと思うような変わったフォルムの陶器を発表する人もあるが、私が見せてもらったその人の作品や写真にはそういうものは無く、壺も皿も抹茶茶碗もぐい呑みも、一目でそれと分かる形で安心していられた。
鉄色とでもいうのかなあ、黒っぽくてあまり艷のない肌にこまかい模様がはいっている。落ち着いた深味のある作品だった。
「それが私の専門なんですよ」とその人も言ってたぐらいだから、私もそうかなと思っていた。
ところがである。その人がNHK・TVで一時間も紹介されるほどの有名人になったのは、専門のうわぐすりによってではなかった。それは最初から私の目の前に置かれていたのだ。
それに全然気づかなかった私は全く神経の粗雑な人間だと反省したよ。

つづく

月刊『自己表現』1982年11月号から原文のまま

(注1) 宗教法人パーフェクト リバティー教団(PL)の施設(福井県福井市)
(注2) 宗教法人パーフェクト リバティー教団第二代教祖御木徳近(1983年2月2日没)

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