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子育ての中にはいろいろな発見があります。親として、何かを感じ、経験し、学んだこと…。それは自分にとっても周囲の人にとっても大切な宝。その発見の感激を毎回手記でお届けします。

「大切なのは取り組む姿勢」Episode7

子育て web限定
ペンネーム
くろねこみやま
年齢
30代
家族構成
夫、長男(6歳)

息子が4歳(年中)のころの話です。当時通っていた保育園の運動会で、年長組全員が鉄棒で逆上がりを披露することになっていました。園の懇談会で先生から〈逆上がりの練習を年中組から徐々に始めます〉とお聞きしていたので、しばらくたったころ息子に様子を聞いてみました。
「鉄棒の練習はしてるの?」
「うん」
「逆上がりはどう?」
「うーん……」
とはっきりしない返事。
一緒に公園に行った際に「逆上がりをやってごらん」と促しても、「ここの鉄棒は保育園のとはちょっと違うからできないなぁ」と言います。後日あらためて様子を聞いてみても、「ぼくはできないから」と言って友達と虫を捕まえて遊んでいるとのことでした。私は、〈遊んでいていいものだろうか〉という心配な気持ちと、〈無理やりさせるより、本人の気が乗った時にすればいいのだから〉というのんきな気持ちが入り混じった心境でした。
しかし、何日たってもそのことが気になって、心の中でもやもやとしていたので思い切って主人に相談しました。すると、「大切なのはできるかどうかではなくて、努力をするかしないかだよ」と教えられました。それは〈運動会で失敗したら恥ずかしい〉という親のメンツや、公園に何度も通って根気よく教えるのが面倒くさいと思う私の怠けた姿を映している気がしました。息子に危うく、〈苦手なことやできないことがあったらあきらめていいんだよ〉と教えてしまうところでした。そんな自分の姿を反省し、あらためて息子と向き合い、努力をすることの大切さを夫婦で伝えました。
それ以来、鉄棒の練習があった日には息子から内容を教えてくれるようになり、努力する様子が伝わってきてうれしさが込み上げました。
年長になった10月の運動会前に主人の転勤が決まり、逆上がりを披露することはありませんでしたが、このたびの鉄棒の一件をさまざまなことに置き換えて、息子には努力することの大切さを伝えるようにしています。

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全力投球(ぜんりょくとうきゅう)

力は惜しまず出し切りましょう。人生は芸術です。