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プロとアマチュアの違いは何か…。 自分の仕事に誇りを持ち、より充実した生活を送るためのヒントが満載。きっと誰もが今からでも変われます!本当の「自分」を発見し、マンネリズムから脱出しよう。 1982年(昭和57年)から1984年(昭和59年)までに連載された、芸術生活社発行『自己表現』の「プロフェッショナル研究」を原文のままお届けします。

「常に全力を尽くして生きようⅡ」プロフェッショナル研究 Chapter7-2

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ストレートが走らない。カーブも曲がらない。それでもエースは、打者の打ち気をはずし、じっと耐えて完投するんだ。

私は、この問題に参考になる面白い本をみつけた。また読書案内かよ、なんて言わずに読んでみてくれ。参考になるかどうかはともかく、面白いことだけは保証するから。
その本とはチャールズ・メリル・スミス著すところの推理小説「ランドルフ師と復讐の天使」である。
メリル・スミスのランドルフ・シリーズは全部で三冊出ていて、これが二作目である。
シャーロック・ホームズ、明智小五郎と言えば私の少年時代に読んだ名探偵である。
エルキュール・ポワロ、神津恭介は青年時代の、霧島三郎とフレンチ警部もそう。
ところで、大抵の名探偵は西洋ものに対比すべき日本製の人がある。年齢・仕事なり、職業・環境などに共通点のある人がみつかるのであるが、どうしてもそれがいない人がある。ブラウン神父、ラビ・スモール、そうしてこのランドルフ師である。
ブラウン神父はカトリック、ラビ・スキールはユダヤ教、ランドルフ師はプロテスタントの聖職者である。日本にはまだ、お坊さんの名探偵やPLの教師の名探偵というものは創造されていない。ひまができたら書いてみたいものだ。
さて、ランドルフ師はシカゴ第一の大きさ、歴史と金と、そして上流階級の会員をもつグッドシェパード教会の主任牧師である。
しかも牧師になる前は、プロフットボールの選手、しかも人気チーム、ロスアンゼルス・ラムズの名クオーターバックだったという設定になっている。
俳優出身の大統領が生まれるような国ならではの発想だねえ。でも牧師は議員なんかと違って票さえ集めればなれるってわけのもんじゃないから、なおさら面白いわけだ。
アメリカが、カトリックの圧制に抗議(プロテスト)して新天地を求めた人たちによってひらかれた国だということは皆さんもご存じだろう。プロテスタントってのはそういう宗派なんだ。
だからアメリカの推理小説愛好家は苛立(いらだ)っていた。なぜって、まずブラウン神父はカトリックのお坊さんだし、次いで現れたラビ・スモールはキリスト教の敵ユダヤ教のラビだ。だからランドルフの登場は大拍手で迎えられた。やっとプロテスタントの牧師の名探偵が創造されたんだからな。
しかもスポーツの名選手らしく長身でハンサムで、博士号を持つ学者。おまけにおしゃれでベスト・ドレッサー。アメリカン・ヒーローの条件をすべて備えている。その彼が名推理を発揮して思いがけぬ犯人を捕えるんだからこたえられんはずだろう。
ともかくこの作品の中でランドルフ師は、思いもよらぬ旧友の結婚式を司式し、その披露宴の晩に殺人事件に巻き込まれる。

つづく

月刊『自己表現』1982年12月号から原文のまま

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