コラム

子育ての中にはいろいろな発見があります。親として、何かを感じ、経験し、学んだこと…。それは自分にとっても周囲の人にとっても大切な宝。その発見の感激を毎回手記でお届けします。

「子どもの話を聞く」Episode12

子育て web限定
ペンネーム
あじさい
年齢
30代
家族構成
夫、長男(6歳)、次男(5歳)

主人の転勤で隣の区に引っ越したため、今春小学校に入学したばかりの長男は、入学後4カ月で転校することになりました。
新しい学校へ通い始めてまもなくのこと。長男が「上級生から意地悪をされた」と言って帰てきました。
理由を聞くと、新しい学校の体操服が間に合わず、前の学校の体操服を着て行ってからかわれたことが原因のようです。
〈転校生にはよくあること〉と、その時は深く考えず、担任の先生にお願いして注意してもらうことにしました。しかし、数日後、また「上級生に意地悪を言われた」と帰ってきたのです。
「こんなことをされるのは、長男にも何か原因があるのではないか?」と思い始めていたころ、担任の先生から、「〇〇君の迷惑行為で、嫌な思いをしたクラスメイトがいる」と連絡がありました。
長男の小さなころからの癖がなかなか直らず、その影響でクラスメイトを不愉快な気持ちにさせてしまっていたことが分かりました。
先生から頂いた情報、がっかりした気持ちが相まって、私たち夫婦は長男を𠮟りました。長男は号泣し、部屋にこもってしまったのです。
しばらくしてふと我に返った時、感情のままこちらが言いたいことを長男にぶつけ、当の本人の言いたいことを聞いてやれなかったことに気付きました。周囲では〈子どもの気持ちを理解する〉〈子どもの話を聞く〉〈子どもとのコミュニケーションを大切にする〉と言われていますが、私は感情が高まり心にゆとりがなくなると、そのイライラを子どもにぶつけ、後で冷静さを取り戻しては反省するということを繰り返していました。
このままではいけないと思い、長男の話をじっくりと聞いてみることにしました。
すると長男は「してはいけないことは分かっているけどやめられなかった。やめようと頑張ってはいるけど、直すのは難しい」と、泣きながら癖のことを話してくれました。
私が「そうやって、話してくれればよかったのに」と言うと、長男はポツンと「お父さんとお母さんはすぐ怒るから怖くて言えなかった」と話したのでした。
私たち夫婦が、長男に常日ごろからガミガミ言い過ぎていたこと、叱りつけてしまっていたことを謝った上で、その癖を親子で一緒に乗り越えていく決意をしました。
本人は「癖だからしかたがない」と思っていても、周囲の人に嫌な思いをさせているかもしれません。
今回のことがきっかけで、私は子どもの気持ちを聞くことや、思いを通わせることの大切さを学びました。
この日の夜、眠りにつくまで握っていた長男の手の温もりを、私は絶対に忘れないと思います。

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てがみでこんにちは 小学校低学年 -子どもに、親に、伝えたい-

「あさはきもちよくおきていますか」「いえのみんなに“おはよう”とあいさつしていますか」など、小学1,2,3年生の子どもと保護者宛てに手紙を書き始めました。できなかったことが少しでもできるようになるためのお話を、親子それぞれにお届けします。

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