コラム

子育ての中にはいろいろな発見があります。親として、何かを感じ、経験し、学んだこと…。それは自分にとっても周囲の人にとっても大切な宝。その発見の感激を毎回手記でお届けします。

「only one」Episode15

子育て web限定
ペンネーム
だんごむし
年齢
30代
家族構成
夫、長男(6歳)、次男(3歳)、三男(1歳)

長男を見ていて、〈6歳の男の子ってみんなどんな感じなの? 来年は小学生になるのだからもっとしっかりしてほしい……〉そんな思いが強くなり、イライラすることがあります。
長男は幼いころから何かをしようとする時、何があってもそうしたい! と曲げないところがあります。
泣き叫んだり、ひっくり返って暴れたりすることもありました。
そんな姿を目の当たりにすると、年齢の割に幼過ぎるのではないかと、母親として責任を感じます。
そんな思いを持ちつつ過ごしていると、ある日知人から「○○くんの行動は少し幼くない? 発達に問題はない?」と指摘されました。
ハッとさせられたのと同時に、自分でも心のどこかでそうかもしれないと思っていたことに気付きました。
そもそも発達障害とは何なのかを、私はよく分かっていませんでした。
言葉だけを見ると知的障害のひとつかと思いましたが、調べてみると少し違うことが分かりました。
発達障害をきちんと定義することは難しく、その特性を一言で表現すると『ひときわ大きい個性』なのです。その強い個性を持っているために周りとの調和が取りにくかったり、理解されなかったりすることで、本人も生きづらさを感じてしまうこともあるのです。
学習能力上、社会関係上、運動上、行動上、さまざまな場面での問題が重なり合い連続していることもあるので、発達障害と診断するには何度も診察や面談を繰り返さなければ分からないそうです。
ある専門医は発達障害という言葉は、言い換えるなら「生活障害」だと言います。
普通と発達障害の間に境界線はあるのでしょうか。
その〈普通〉を決め付けているのは私自身だと気付きました。
普通の6歳の男の子ならどうなんだろう、などという見方で長男を見続け、行動を否定していました。
どうしてもしたい、そのことから離れられない、その思いを理解してもらえず否定された時、一番つらい思いをしていたのは長男だったと気付かされました。
参考書を読めば、発達障害の特徴に当てはまる点はいくつもありました。
ですが、発達障害と診断されたとしても長男は長男であり、彼の個性なのだと思えてきました。
〈できていない所を直さなければ……〉。そんなふうに考えていた自分が恥ずかしくなりましたが、これからは長男という一人の人格を理解し、その時その時の心を理解しながら接していこうと夫婦で話しました。
親から否定され、理解されないことがどれだけ悲しいことか、自分が長男の立場だったらどうかと思うと胸が苦しくなりました。親として一番に子どもを理解し、尊敬し、愛してあげなければいけないと心から反省しました。
日ごろお世話になっている上司からは、「気付きは一つでも多い方が良い」と言われ、発達障害かどうかの診察を今年予約しています。
園での生活でも特に困ることや周りに迷惑をかけることはないようですが、長男を理解することの一つとして夫婦で話し合って決めました。

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心機一転(しんきいってん)

ターニングポイントは、気持ちを入れ替えるチャンスです。