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プロとアマチュアの違いは何か…。 自分の仕事に誇りを持ち、より充実した生活を送るためのヒントが満載。きっと誰もが今からでも変われます!本当の「自分」を発見し、マンネリズムから脱出しよう。 1982年(昭和57年)から1984年(昭和59年)までに連載された、芸術生活社発行『自己表現』の「プロフェッショナル研究」を原文のままお届けします。

「癖を是正して進歩を目指す自分となっているだろうか」プロフェッショナル研究 Chapter11-2

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江川が去年と同じ投球をすれば二十勝どころか十勝だって危い。
相手は研究し、変化し、進歩して来る。これがプロの世界だ。

だが、今夜、こんな文章を見つけた。
去年(注 1982年)の『自己表現』六月号、十一ページである。
当時の機関紙部長、現在PL学園高校の校長川島通資先生の
書かれたものである。

――あるとき、私の先輩がおしえおや様のお使いに出かけるとき、
おしえおや様から
「君は電車の中に弁当を忘れるような男だから、注意しなさい」
と言われたそうです。
電車に弁当を忘れたのは五年も前のことで
「おしえおや様は物覚えがよくてかなわんよ」
と先輩がこぼしていました。
だがこのおしえおや様のお言葉には深い真理がひそめられていることが、
最近やっと分かるようになりました。
電車に物を置き忘れるというのは、そういう癖があるということです。
“癖”というのは知らず知らずにそうなってしまうもので、
意識して癖を出すということはないのです――

何だ、プロフェッショナル研究とか言って
読書案内や観光案内がネタ切れになって、
今度は信仰告白かよ、だからオジン教師は……などと言われそうだが、
まあ待ってくれ。これはプロフェショナルに不可欠な条件の話なんだから。
同じヘマを二回も三回も繰り返すヤツを“ドジ”と言うんだ。
つまりまるで失敗から学ばない、進歩のない人間なんだ。
いまプロ野球のオープン戦が盛んで、阪急の榎田や広島の西田など、
PL学園出身の選手の評判がなかなか良いみたいだ。
彼らに限らず、新人で評判の良い選手や新外人で凄いと
言われている選手もある。
彼らが公式戦になっても今の評判どおり活躍したら、
今年のペナントレースは例年よりずっと激しく魅力のあるものになるだろう。
ところが、今まで何人もの選手が春先の評判は凄かったのに、
本番になるとさっぱりだった。
何故か。
「癖」。これだ。
ちょっとした癖、カーブを投げるときに腕がこうなる、
インコース狙いのときは足をこうする、
こういう無意識のうちに出る小さな癖を見抜かれると、
その選手は大体通用しなくなる。
つまり癖ってのは弱点なんだ。
弱点をさらけ出していては、他にいくら良いものがあっても
それを出しきることは難しい。
塀をのりこえるような男というのは、自分の失敗をごまかし、
見つからないようにしたがる心癖のある人間ということだ。
それに自分で気付き、直そうとする努力をしないうちは、
厳しい仕事に通用しない。
二代教祖様はそういうことのすぐわかる方であった。
から何度も何度もそう言われたという事は、
私が高校一年生のときから、少なくともその点に関する限り
まったく進歩していないということを教えて下さっていたのである。
恥ずかしい限りだが、私は今夜はじめてそのことに気がついた。

何の気なしにひろげてみた『自己表現』のバックナンバーの中に、
それを気付かせてくれる文章を見出した。
「死せる孔明、生ける仲達を走らす」

(偉い人は死んだあとまで残った人間に影響を与えるという意味のことわざ)である。
二代教祖様が私に教えようとなさったことに今になって気付いたわけだ。
まったくドジな男、プロとはとても言えない教師だったわけだ。

申し訳ない限りだよ

つづく

月刊『自己表現』1983年5月号から原文のまま

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