暮らしを彩る出版社
コラム
夫婦がいつまでも明るく楽しく暮らすための秘訣は何でしょう。妻が、夫が相手を思いやり、共感し、認め合い、励まし合う…… 何でも分かっているつもりでいても、新しい発見がきっとそこにあります。日々の暮らしの中で感じたこと、気付いたことなどを手記でお届けします。
「話を聞く」Episode16
- ペンネーム
- たまごかけごはん
- 年齢
- 40代
- 家族構成
- 夫
〈話を聞く〉とは、その人の〈心を聞く〉ことと教わったことがあります。
それは、人の話す内容を耳で聞くだけでなく、
相手の気持ちを聞かせていただくことが大切という意味でした。
夫の話を聞く時にはこの言葉を思い出し、取り組んでみるようにしました。
そうは言っても、初めの2か月くらいは、
一日の終わりに「あれ? 今日はちゃんと夫の話を聞けたかな……」
という具合で、できたかどうか分かりませんでした。
ある日、夕食後に私が食器を洗っている時、
夫は楽しそうにテレビでプロ野球を見ていました。
野球に夢中の夫は、「○○がヒット打を打ったよ!」と、
私に熱く語りかけてきます。
私は「そうなんだ。よかったね」などと返事をしますが、
内心〈野球のことは分からないし、それがどれだけすごいことなのかも分からない。
今はそれどころじゃないし……〉と夫の話をしっかりとは聞いていませんでした。
そんな時ふと、「あれ? もしかして、これかな?」と気付いたのです。
夫が話す内容が私の興味がある話題だといいのですが、
そうでないと途端に聞く気が無くなります。
〈楽しんでいるのは夫だけ〉と、夫の気持ちを分かろうともしないで、
自分の都合や趣味を優先していることに、初めて違和感を覚えました。
〈「心を聞く」って、こういうことなんだ〉と、
発見できたことをうれしく思っています。
その後も、夫が楽しそうに話しかけてくることがあります。
〈そんなこと言われてもよく分からない……〉と思った時にはなるべく
「それってどういうことなの?」と聞くようにしています。
そうしているうち、〈夫が何に熱くなっているのか、何を喜んでいるのか〉
を更に知りたいという気持ちになりました。
その理由を聞くと、夫は親切に教えてくれます。
さ細なことではありますが、夫の心の中に一歩踏み込めたようでうれしくなりました。
夫婦で一緒にいても気付けることは少ないのですが、
今までしてこなかったことに挑戦するのは楽しいものだと感じました。
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