暮らしを彩る出版社
コラム
子育ての中にはいろいろな発見があります。親として、何かを感じ、経験し、学んだこと…。それは自分にとっても周囲の人にとっても大切な宝。その発見の感激を毎回手記でお届けします。
「気持ちを一つにがんばろう」Episode23
- ペンネーム
- ぴよぞう
- 年齢
- 40代
- 家族構成
- 夫、長男(7歳)、長女(7歳)、次男(4歳)
バトン選手権のソロの部に長男が出場することになりました。
実力では長男に及ばない双子の長女ですが、
先生に「長女は選手権に出場するのは難しいですか?」と聞くと
「難しいと思いますが、チャレンジしてもいいかもしれません。
ただ、相当努力が必要ですよ」との返事でした。
そのことを長女に告げると「出たくない」と一言。
〈せっかくのチャンスなのに〉と思いつつも、
出たくない理由を聞いてみると
「出てみたいけど、不安なの」と言います。
「挑戦してみようよ。一生懸命頑張ってみようよ」と励ますと、
娘は「じゃあ出る。出るからお母さん、衣装作ってよ」と言いました。
「ごめん。衣装作りは無理だよ」と即答すると、
娘は残念そうでした。
そばにいた夫は顔をこわばらせ、
「娘が出るって言うのだから、お母さんも頑張るって言ってやれないのか」。
そう言われ、まさに青天の霹靂でした。
私は今まで子どもの衣装を義務的に作ってきました。
毎回衣装を作る時には、他のお母さんに指導に来てもらうほどの不器用ぶりです。
ましてソロ出場なので、衣装は借りてもいいのです。
〈私が衣装を作ると周囲に迷惑をかけるし、借りるのが一番〉と考えていました。
夫も同じ考えだろうと思っていました。
確かに娘の尻を叩いておきながら、自分自身は挑戦しないなんて身勝手な話です。
そう思い「お母さんも頑張って衣装作りに挑戦するから、バトンを頑張って」
と娘に言うと、とても喜んでいました。
〈こんな不器用な母でも、娘にとっては母親の手作り衣装がうれしいんだなぁ〉
としみじみ思いました。
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