暮らしを彩る出版社
コラム
プロとアマチュアの違いは何か…。 自分の仕事に誇りを持ち、より充実した生活を送るためのヒントが満載。きっと誰もが今からでも変われます!本当の「自分」を発見し、マンネリズムから脱出しよう。 1982年(昭和57年)から1984年(昭和59年)までに連載された、芸術生活社発行『自己表現』の「プロフェッショナル研究」を原文のままお届けします。
「周囲に好まれる個性とは」プロフェッショナル研究 Chapter17-2
どこかに自分も持ち味を発揮する場所があるはずだ、と右往左往している諸君!
とにかく今の仕事に”まこと”を込めてみよう。
さて、ここまでの話も、藤田さんの本に書いてある。
ところが書いていないことがある。
それは、同じマニュアルに従って、同じように客と応対しても、
店員ごとに売り上げに差が出る、ということだ。
なぜかというと、マニュアルには、
「ここでありがとうございます。といいなさい」と書いてあっても、
発音のしかたまでは書いていない。「ここで笑いなさい」
と記されていても、笑い方までマニュアルは教えてくれないからだ。つ
まり、笑い方、声の出し方、動作には、マニュアルではどうしても律しきれない部分がある。
この部分がすなわち、その人の持ち味、
マニュアルを越えた人間味なのだが、
自ら工夫して持ち味をうまく出す店員は売り上げがふえる。
同社では、三万人のパートタイマーを対象に、
この持ち味のコンテストを毎年一回行っている。
昨年優勝して海外旅行をあてたのは、若い奥さんパートタイマーだった。
動作がきびきびし、注文の取り方がうまく、
むろん売り上げも群を抜いて多かったが、
カウンターに立っているだけで思わず入ってきた客の足がそちらへ向いてしまうような、
素晴らしい笑顔の持ち主だったそうである。
面白いねえこの記事。
とくに、マニュアルに決めてある通りにやっていても、
人によって成績に差ができる、そのわけはその人の持ち味による。
なんてところは、PLの教えを知らぬ人でも、
自分の仕事に一生懸命になっていれば
この程度のところまではわかるようになるとわかって実に興味深いよ。
ここんとこ、読者諸君にもわかってほしいんだ。
マクドナルドに勤めている人たちでさえわかることなんだから。
PLの教えを知ってる人には常識みたいなもののはずなんだが、
時々、「今の仕事は私に向いてないと思うんです」だの、
「もっと私に合った仕事があると思うんです」なんて質問してくる人があるからね。
質問してくる人はまだ良いほうで、新聞などによると、
大学を良い成績で卒業して、はげしい競争にも打ち勝って、
人もうらやむような会社に入った人が、
突然何の理由も言わずにやめちまう傾向があるそうで、
その人たちに共通する感覚は、もっと僕に向いた仕事があるように思う、
ということなんだそうな。
青い鳥症候群というんだって。
どこかに幸福の青い鳥がいるように思って、
現実をはなれふわふわとどこかへ旅に出ちまうんだな。
もちろん、人には好みがある。
だからだれでも今やってる仕事を一生続けなくちゃならないと決まっているわけではない。
一度就職したら、変わるのは間違いだとは言わない。
仕事を変わって良くなった例もあるからな。
でもそれにしたって、仕事が良いから良くなったんじゃないと思うよ。
何かの理由、それは仕事そのものが気にいったものであることもあるし、
一緒に仕事する人に良い人がいて心が落ち着く場合もあるし、
場所が変わって気分も変わることもある。
とにかくそういう何かの理由で一生懸命働くようになり、
それで仕事も面白くなったんだと思う。
つづく
月刊『自己表現』1983年11月号から原文のまま
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