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プロとアマチュアの違いは何か…。 自分の仕事に誇りを持ち、より充実した生活を送るためのヒントが満載。きっと誰もが今からでも変われます!本当の「自分」を発見し、マンネリズムから脱出しよう。 1982年(昭和57年)から1984年(昭和59年)までに連載された、芸術生活社発行『自己表現』の「プロフェッショナル研究」を原文のままお届けします。

「挫折は青春につきものだ」プロフェッショナル研究 Chapter19-1

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日ごろの努力が挫折を次なる飛躍のバネにする

迫力満点の郎平のスパイクが、
好守を誇る森田貴美枝選手の指をはじき飛ばすように
コート後方へ飛び去った中国の一点目を見たとき、
正直言って「こりゃあかんわい」と思った。

ロサンゼルス・オリンピックの予選を兼ねた
アジア女子バレーボール選手権の優勝戦でのことである。
たしかに郎平はすごいアタッカーだった。
そして彼女を中心とする中国チームは、
世界チャンピオンの名に恥じぬだけの実力があった。
だが試合は「えっ?」
「おいおい、どうなってるんだ」
「へぇー驚いた」と連発しているうちに
日本チームがどんどん得点し、
第一セットをとり、第二セットをとり、
とうとう第三セットもとってストレート勝ちにしてしまった。

中国も強かったが、日本はそれ以上の実力を養っていた。
これで今年のオリンピックで金メダルが期待できるだろう。
最優秀選手は江上由美だったが、
私としてはひいきの三屋裕子選手が大活躍したので満足だった。
欲を言うなら、一八四センチの郎平に負けないだけの
身長を持つ広紀江選手のスパイクが見たかったが、
日本ベンチはまだ鍛えたりないと見たか、
ロスでの秘密兵器にするつもりか、
一回も登場させなかった。

それはともかく、大粒の涙がとまらない様子の中田選手をはじめ、
日本チームの選手がうれし涙をこぼしていたインタビューは
感無量ってところだったが、表彰式のとき、
中国の郎平が泣いているのが気にかかった。
あれは思いっきりやった人の涙である。

ゲームのときだけではない、
練習を思いっきりやったということだ。
試合だから勝者と敗者が出るのはしかたのないことだ。
人間と人間がやるのだから、
片方が一方的にいつまでも勝つということはなかなかむずかしい。

V9巨人も最下位に落ちたし、
無敵西武ライオンズにも低迷の期間があった。
勝負で負けて口惜しくないはずはないが、
負けと決まったとき「この次はやってやる」と思うか、
落ちこんでしまって当分立ち直れないかは、
そこに至るまでの努力にかかっている。
徹底的に、精いっぱい努力をかたむけて闘ったあとの敗戦であれば、
決まった瞬間に「この次はやってやる」とファイトが湧いてくる。

だが、精いっぱいの努力をしたとは言いにくい場合は、
そんなファイトは湧いてこない。
「あーあ、やっと終わった」などと思ったり
「どうせだめなことはわかっていた」と言ったり、
落ち込んで当分何をする元気もなくなったりする。

つづく

月刊『自己表現』1984年1月号から原文のまま

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