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プロとアマチュアの違いは何か…。 自分の仕事に誇りを持ち、より充実した生活を送るためのヒントが満載。きっと誰もが今からでも変われます!本当の「自分」を発見し、マンネリズムから脱出しよう。 1982年(昭和57年)から1984年(昭和59年)までに連載された、芸術生活社発行『自己表現』の「プロフェッショナル研究」を原文のままお届けします。

「挫折は青春につきものだ」プロフェッショナル研究 Chapter19-2

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19-2

勝負に負けたとき、「この次はやってやる」と思うか、
落ちこんで当分立ち直れないかは、そこに至るまでの努力いかんにかかっている。

何度も同じ話になるが、私も三十年前に東大を受験して失敗した。
あのときもしも私が「この次は必ずやってやる」
とファイトを出して申し出れば「一年浪人してもう一回受けてみろ」
ということになったかもしれない。
そうしていたら、努力次第では合格していたかもしれない。
恥の上塗りになる可能性の方が強かったと思うが……。

ところが私は「受験勉強なんかまっぴらだ」とばかり、
さっさと第二志望の学校へ入学してしまった。
ファイトが出なかった理由は、
私が受験勉強を精いっぱいやっていなかったからである。

親や先生にやいのやいの言われて、勉強するかっこうだけはしてみせるが
「何としても合格するぞ」という気構えはなく、
最小限の努力で最大限の効果ということばっかり考えていたからである。
三月二十一日の深夜に合格者名簿が張り出される。
見に行って、自分の名前が無いことを確認した私は、
駒場をあてもなく歩きまわった。

東大教養学部のあるあのあたりは、
東方山手の住宅街で庭のある家が多く、
ちょうど沈丁花の盛りで、どこへ行ってもあの甘い香りがした。
あのとき以来、どうも私にとっては、
沈丁花の香りは不運というか、悲しいというか、
良くない結果の添え物になっているようだ。

挫折は青春につきものである。
受験の失敗もあれば仕事上のへまもある。
何かの活動や運動で予定が狂うこともある。
勝負に負けることもある。

そういう挫折が、その人に何をもたらすかは、
そこに至るまでの、その人の努力がどんなものであったかによる。
あの日本と中国のバレーボール試合のあと涙をこぼしていた郎平の顔には
「この次のチャンスには、必ずこのお返しをする」
というファイトが感じられた。

女子バレーボールについては、
中国は後進国のはずである。
日本チームが東京で金メダルを獲得した年に、
やっと代表チームらしいものができて、
練習を当時の日本チームの監督だった故大松博文氏が
指導に行ったような話を聞いたことがある。

あれから十九年、今や中国チームは世界の王者である。
その間の努力、研究たるや、すさまじいものだったはずだ。
郎平選手はその中心である。
そこへ行くまでの訓練は、精いっぱいなどという言葉では
言いつくせないほどの熱心さ、熱烈さだったに違いない。
だからこそ、あの日あの涙がこぼれたのである。
中国恐るべし、ロスではきっと金メダルを狙う
日本の最大のライバルとして、さらに強力になって出てくるだろう。

高校生エース大谷選手の出現が、
世界選手権四位という屈辱から日本チームをよみがえらせたように、
日本チームはロスへ向けて若い力を育てるべきだろう。
幸い広・宮嶋という素晴らしい素材もいることだし。
プロフェッショナル研究、今度はスポーツ評論かよ、
それもアマチュアの、と言われそうだがちょっと待ってくれ、
こんなことを言い出したについては理由があるんだ。

自己表現の読者なら、大体は若い人だと思う。
さっきも言ったように、青春には、挫折がつきものだ。
一回も挫折を知らずに育ったりすると、
成人し、責任が重くなったときに初めての挫折を味わうことになって、
もっと始末が悪い。
はしかと同じで、なるべく年の若いうちにすませておくほうが良い。
だが、挫折するだけなら誰もする。

問題は、その挫折をどのように人生に生かすかというところにある。
「この次はきっとうまくやってやる」とファイトを湧かすことになるか、
「また失敗するんじゃないか」とおびえて負け犬になるかが問題である。

つづく

月刊『自己表現』1984年1月号から原文のまま

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