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プロとアマチュアの違いは何か…。 自分の仕事に誇りを持ち、より充実した生活を送るためのヒントが満載。きっと誰もが今からでも変われます!本当の「自分」を発見し、マンネリズムから脱出しよう。 1982年(昭和57年)から1984年(昭和59年)までに連載された、芸術生活社発行『自己表現』の「プロフェッショナル研究」を原文のままお届けします。

「腕が違うのはなぜか」プロフェッショナル研究 Chapter21-3

ビジネス
22-3

プロとアマでは鍛え方が天と地ほども違う。自分の専門分野で実力を出せる人は、自らに厳しく、好きになる没入度もぐっと深い。

ブラジルへ行ったとき、たまたま早稲田の同窓会が開かれて私も出席した。
出席者の大部分はビジネスマン、
つまり貿易や開発の仕事で来ている人であったが、
一人、軍だか警察だかで柔道の教師をしている人がいた。

彼は東京オリンピックのときの日本代表のひとりで、
招かれてこちらへ来ているという話だったが、
来たばかりのころは言葉は通じないし、
知った人はいないし、本当に困ったそうだ。
「でもとにかく稽古着に着替えて道場に出れば何もかも忘れてやれましたから、
それがいろんなもやもやを吹き飛ばしてくれましたね」
という彼の言葉にあるように、
一途に没入できるほど好きであるということが、第一の理由として挙げられよう。

彼に限らず外国で師範をしたり選手として活動している
柔道家や空手の達人は数多いし、サッカーのチームに入っている人もいる。
PLゴルフ場の戸川プロは何年か前までブラジルのプロゴルフ界の
チャンピオンだったと言うし、最近では韓国のプロ野球界で活躍している人も多い。
彼らがもし、いくら習練を積んだ技術を持っていても、
プレーや訓練に没入できるほどそれが好きでなかったなら、
とても長続きはしないだろう。

プロとはまず、自分の専門とすることが好きでなければならない。
それも単に好きだという程度でなく、それがやれさえすれば、
外のことはどうでも良いというぐらいに好きであることが必要である。
何度も同じことを言うようだが、
日本で人気があり高い評価を受けているもの、
言わば日本国内でいばっているものは、
国際レベルではさほどでないものが多い。

思いつくままにあげてみても、
まず政治家ではロンだのヤスだの言っているが、
世界経済の中でこれほどの影響力を持つわが国なのに、
政治家の発言や施策が、国際社会では全く相手にされないのには驚く。
次いで医者、日本の医師免許はアメリカでもヨーロッパでも通用しない。
研究でも心臓移植など俗受けのする成果がもてはやされるのは一瞬だけで、
たとえばノーベル賞をとる医師や医学者が一人も
出てないというのが現状である。
役人どももそうで、日本の役人は国内でいばって
いるほどには国際的に認められてはおらず、
世界的な国際機関で重要な仕事を任される例はきわめて少ない。

小説家も国内では先生などとたてまつられているが、
言葉の問題もあって国際的にはだめだし、
国境のないはずの美術も映像も、大したことはない。

プロ野球選手もヒットソングの歌手たちもまあ大体同じようなことで、
日本の中では一流で稼ぎも大きいが、国際的には全く問題になりはしない。
世界の一流など遠い遠い話でしかない。

だが、クラシック音楽の世界では、国内より外国の一流どころと
肩を並べて活動することのほうが多いという人が何人もいる。
これは要するに腕が違うのである。

鍛えかたが天と地ほど違う、その上没入度にも差があるんじゃなかろうか。
一日レッスンを休めば、休んだことが自分にわかる、
二日休むと監督にわかる、三日休んだらお客さんにわかってしまう、
という厳しさの中で生きている人たちと、
しょっちゅう誰かさんと誰かさんがくっついたり離れたりして
週刊誌のネタになっている人とが同じというはずはない。

プロフェッショナルというのは、
ステージに立っているときだけうまくやる人のことではないのである。
ステージを離れたとき、自らに厳しくできる人、
自分の仕事のための努力に没入できる人のことなのだ。
人生、どこにどんな思いがけない障害がでてくるかわからない。
プロフェッショナルとは、それを乗り越える人、
苦しい中で実力を出すことのできる人であり、
それは、厳しい習練と没入、さらに大きな発想によって可能なのである。

 

月刊『自己表現』1984年3月号から原文のまま

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