暮らしを彩る出版社
コラム
居心地が良くなるとお手入れにも力が
取りかかれば簡単に片付く
前回は、やるべき家仕事に取り組むきっかけの作り方についてお伝えしました。
このやるべきこともいろいろで、やる気もハードルの高さも十人十色ですが、自分が過ごす家の中のことです。取りかかれば案外簡単に片付いてしまうことのほうが多いものです。
そもそも、私がこの連載記事を執筆してきたのは、片付けや掃除を最終目標としてのことではありません。さまざまなきっかけから、その先にある日々の暮らしがどんどん快適に、心地良くなり、その幸せをじわじわと伝え、拡大していってほしいとの思いからです。
「収納が出し入れしやすくなった」「リビングが気持ち良くなった」など、自宅のどこかが自分にも家族にとっても心地良くなると、空間をいとおしむ気持ちが芽生えます。好転効果で、自然とふだんのお手入れにも力が入るようになります。
何気ない日常は工夫次第で快適に
先日、25年使用した食卓を家具屋さんで研磨、塗装して新品のように再生させたのを拝見する機会がありました。何かにつけてファスト(早い、安価)文化がもてはやされる昨今ですが、上質なモノをメンテナンスしながら長く使う魅力を再認識しました。
「いとおしむ心がよみがえった」と、食卓には花が飾られていました。気持ちのゆとりが生んだステキな空間です。その空間で食事をしたり、お茶を頂いたりすると、いつも以上においしく感じられるはずです。
お金や人手を投入しなくても、何気ない日常は住まい手の工夫でどんどん快適=幸福になると確信しています。そう、自分次第です。
今年の夏も暑くなりそうですね。帰宅する家族のために、冷たいおしぼりを準備してみませんか? その行為で気分が良くなるのはあなた自身のはずです。
これまでのご愛読ありがとうございました。皆さんの我が家が、より心地良い空間となりますように。
『芸生新聞』2017年7月10日付号掲載
捨てるから始めない もっと心地良い暮らし
ライフオーガナイザー・中川珠枝(PL富田林教会所属)が、生活空間をより心地良くするため、すっきりと快適に暮らすためのちょっとしたヒントを具体的に提案します。
【筆者プロフィル】大阪府出身。PL学園高等学校(全日制27期)卒業。PL学園女子短期大学進学後、ANA客室乗務員として勤務。現在は、富田林市で夫が起業した地域密着の不動産仲介会社「エイム不動産販売株式会社」のリフォーム担当として、モノに埋もれない収納・暮らし・空間を提案している。