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未就学児編その1「心の広い子に育てるために」

親子コミュニケーション

 2歳ごろになると、未就園児が入る幼児教室やサークルに行くことで、親子の交流の場が広がります。

 もちろん、近所の公園でもいいのですが、〈私が人見知りだし、人付き合いが下手だから〉と避けたいママもいるでしょう。自分は、それでもいいかもしれませんが、これから人と出会い、人生を切り開いていく子供にとっては、社会と離れてはいられません。

 少なくとも、子供社会の中に入れる機会はつくるようにしましょう。そこではちょっとしたトラブルはあるでしょう。

お友達の物を取ったり、叩いたり、叩かれたり。

 活動的な子は「乱暴な子」と言われ、謝ることばかりになると、ママも行くのがいやになってしまいがち。それでも、子供はその中で学んでいくのです。

 小さいうちは、ケンカをしても大したケガにはならないし、親が謝れば済みます。もちろん〈子供なんだから多少は乱暴でもしかたないじゃない〉と親が開き直るのも違いますね。そして、逆の立場に立つこともありえます。

 うちの子は、おもちゃを取られてばかりで、いつも泣かされる。もし、そういった元気な子供がいても、受け入れてあげる度量を持ってください。〈連れて来なければいいのに〉とか、「あの子は乱暴だから」と他のママたちに話すのは、了見が狭すぎます。

 いろんな子供がいて、その中で、笑って泣いて、もまれて、それで、社会の中で生きていく力を付けていくのです。

 うちの子が泣かされないことが一番になってはいけません。いろんな思いが出てきて当然。〈また、誰かを叩いちゃうかも〉〈うちの子が叩かれるかも〉〈叩いたことを責める視線がくるかも〉〈叩く子だから連れて来なければいいのに〉それでも、どんな状況も、どんな子供も、受け入れる気持ちをママが持っていれば、心の広い子になります。

『芸生新聞』2017年10月2日付号掲載

臨床心理士の考える子育てのヒント

1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。

川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師

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つかず離れずちょうど良いバランスを大切にしましょう。