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未就学児編その6「心配しすぎず長い目で見てあげる」

親子コミュニケーション

 子供にとって、初めての社会が家族です。とりわけママの存在は大きく、ママでないとダメな時期があったりします。人見知りをするのも、自分の知っている人とそうでない人が分かるからです。

 家族以外(保育園、幼稚園の先生やお友達など)で頻繁に会う人を子供が認識していくと、次第にその人たちとの関係が近くなり、仲良くなっていくのです。

 それでも、なかなか家族以外の人に慣れていかない子がいます。ママから離れることをとても怖がったり、他の人や子供に近づきたくない。前項で「極端に人との接触を怖がる子の場合は、よく考えて」と書きましたが、他の人をまだ怖がるような場合は、小さい集団から練習していくように心がけていきましょう。

 「自分が知らない人」との接触が怖いからなので、大人だって、見たこともないエイリアンと出会ったら、怖いでしょう。〈危害を加えない〉〈だいじょうぶなんだ〉と思える経験を積むことで、だんだんと慣れていきます。その子でも入りやすい小集団を見付けられるはずです。

 近所にあるサークル、プレ幼稚園、保健所や役所主催の親子教室など、〝ママが一緒にいたらだいじょうぶな集団〟から慣らしていくのです。

 子供によって成長の速度は違うので、焦る必要はないですが、いやがるから避け続けるのも違います。成長とともに、次第に社会が広がっていき〈幼稚園、保育園でもだいじょうぶかな〉と思えるようになっていきます。

 1歳半健診、3歳児健診などで、「言葉の発達がゆっくり」「コミュニケーションを取るのが苦手」などと言われても、そのための言葉の教室や親子教室などを紹介してもらえますから、連れて行くことで、伸ばしていけます。

 他の子と比べて、心配しすぎないように、長い目で見てあげましょう。

『芸生新聞』2018年4月2日付号掲載

臨床心理士の考える子育てのヒント

1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。

川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師

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