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コラム
未就学児編その9「子供の目を見て伝えよう」
親子コミュニケーション
赤ちゃんの時のイヤイヤ期は、まだかわいいもので、親の思うようにできますが、4、5歳の反抗期、特に男の子には、手を焼くことがあります。「いや!」「だめ!」「きらい!」。
それでも、機嫌のいい時、困った時は、「ママ~」とやってきますから、中高生の激しい反抗期に比べたら、全く大したことは無い。
分かっているんだけど、でも大変。ゲームをやめない、ご飯を食べない、寝ない、など、親の忍耐力が試される時期ですね。
ギャンギャン怒って、無理やりやらせたところで、疲れるだけ。根本的な解決にはなりません。相手は子供なのですから、〈今はイヤイヤ期なんだ〉と心に留め置いて対応しましょう。
子供の好きなキャラクターの話をしたり、関心のあることに誘ってみたり、あの手この手を使い、うまくいく時、いかない時、いろいろあっていいんです。でも、しょっちゅう怒鳴るようなワンパターンでは、言うことを聞かせられないどころか、余計に癇癪持ちな子になります。
あれこれ試して、どうしてもだめで、それでも怒りたくなった時には、しっかり子供の目を見て、落ち着いた声で、大人に言うように理由も言って「~してください」と、ゆっくり言ってみましょう。そして、待ちましょう。「いいかげんにしなさい!」と、怒るより、ずっと心に届くはず。できれば日ごろから、そういう在り方が心掛けられるといいですね。
子供は親を映す鏡です。子供が苦手な人の名前を出して「(その人に)怒ってもらうよ」とか、誰かに怒ってもらうアプリに頼ったりとかせずに、親自身が親力を付け、肝心な時に、言いたいことが伝わる在り方を目指しましょう。
『芸生新聞』2018年7月2日付号掲載
臨床心理士の考える子育てのヒント
1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。
川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師