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コラム
未就学児編その12「ごまかさずきちんと説明を」
親子コミュニケーション
子供に物事を説明する時、〈まだ小さいから、どうせ分からないだろう〉と、適当なことを言ったり、うそをついたりして、ごまかしてはいけません。きちんと説明して話せば、2、3歳の子だって、分かります。
下の子の出産などでは、ちゃんと説明したとしても、パパが一日子守りをしないといけない時などに、「すぐママが帰ってくるから」「ちょっとの間だから」と、いいかげんなことを言うと、「帰ってこない!」とか、「すぐって言ったのに!」と、余計にぐずることになりかねません。
うそをついてごまかす子供になってほしくないなら、どんなに小さな子供にも、「ママは、〇〇へお出かけだから、その間、パパとお利口さんで待っていられるかな?」「お医者さんに行って、(注射が)チクッとするけど、強い子になって、バイキンさんをやっつけてもらおう!」など、きちんと正直に説明するようにしましょう。
いけないことをした時も、同じです。〝きちんと説明する〟ということは、誰かが怒るから、ではなく、その行為をしてはいけないから、なのです。
電車やお店の中で走り回ってはいけないのは、他の乗客やお客さんが怒るからではなく、周りの迷惑になる行為だからなのです。
お友達をたたいたり、突き飛ばしたりしてはいけないのは、先生が怒るからではなく、それ自体が危険な行為だからです。
まだ小さいから、知らないこともあるので、教えていかないといけないということです。
小さい子供に長々と説明すると、余計に分からなくなります。分かりやすく、簡単に、でも、はっきりと、ごまかさずに、正直に伝えていきましょう。
『芸生新聞』2018年11月5日付号掲載
臨床心理士の考える子育てのヒント
1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。
川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師