暮らしを彩る出版社
コラム
未就学児編その14「周りに好印象を与える挨拶を」
親子コミュニケーション
朝、幼稚園や保育園に着いた時、大きな声で「おはようございます」と、挨拶できる子は、かわいらしいものです。
それが中高生になると、「おはよう」も「いってきます」も言わない、とお母さんが嘆くこともあるのですが、今の時期は、とにかく、元気良く、「おはようございます」「こんにちは」「ありがとうございます」「いってきます」「ただいま」「いただきます」「ごちそうさま」と、言えるようにしましょう。
大人が繰り返し言っていれば、子供は真似をします。「どうして言わないの!」と怒らず、ニッコリ笑って、ひたすら、繰り返し言っていきましょう。
日本語は、さまざまな挨拶の言葉を持っている言語です。それが、日本人的な情緒や、相手を思いやり、感謝する文化にもつながっていきます。海外で、食事の前後に「いただきます」「ごちそうさま」と手を合わせることを、他国の人から感心された経験を持つ人も多いでしょう。
挨拶の基本は、心を開くことから始まります。私の心は、外に開かれ、正々堂々としています、というものです。
だから、思春期の反抗期には、親や大人がうっとうしいと思い、心を開かれた気持ちではなくなるので、挨拶しなくなる時期がある子がいるのです。
それは一時的なものなので、そこを焦って怒らなくてもいいのですが、まだ子供が小さい間は、親が〈しっかり挨拶できる子にしていこう〉と思って育てましょう。
元気な挨拶は、周りの人にも好印象を与え、すがすがしい気持ちにさせてくれます。へこたれず、前向きで、周りから愛される人の根幹は、挨拶できることです。
『芸生新聞』2019年2月4日付掲載
臨床心理士の考える子育てのヒント
1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。
川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師