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未就学児編その15「子供は母の愛に包まれて安心する」

親子コミュニケーション

 子供が転んだ、けがをした、熱を出した、風邪を引いた、など、体調の悪い時、親が使える魔法の言葉があります。「痛いの痛いの飛んでいけ~」です。

 ほんとうに飛んでいくかどうかの医学的根拠よりも、子供が「飛んでいった」と言ったり、「まだ飛んでいかない」と泣いて、ママの胸に飛び込むことに、効果がないとはいえませんね。

 世界各国に、この「痛いの痛いの飛んでいけ」が、それぞれの言語であることを見ると、母親の子供に対する愛情は世界共通、それを受け取る子供の痛みを忘れさせてくれるものなのでしょう。

 前に、子供に話す時に、ごまかさず正直にと書きましたが、だからといって、「痛いものは痛いの」「お薬飲んでも、すぐには効かないから我慢して」と、正直に話すことがいいのとは違いますね。

 ママの言葉掛けに、痛みを和らげる効果があるのです。〈この子の痛みを飛ばしてやりたい〉と思う母の愛に包まれていることで、安心して、痛みに耐える力が湧いてくるのです。

 転んだ時に、自分で起き上がってくるのを待って見守ることも、痛い思いをした時に、和らげてあげることも、どちらも大切です。

 過保護にならず、そして、愛情をかけていくこと、そのバランスが分かってくることが、母親らしくなっていくことなのでしょうね。

『芸生新聞』2019年2月11日付掲載

臨床心理士の考える子育てのヒント

1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。

川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師

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