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未就学児編その16「親のアンテナを磨くことが大切」

親子コミュニケーション

 今は、小学生が携帯電話を持っていることが珍しくなくなりました。「お稽古に行かせる時に、お迎えの時間を連絡できる」とか、「持たせていると、言いたいことがある時や、何かあった時につかまえられるから」と。

 小学校へ上がる前までは、ほとんどが親が一緒に連れて行って送り迎えをしますから、携帯を持たせることで〈1人で行けるならこんなに助かるものはない〉なのでしょうね。

 就学前の子供のお稽古事や、遊びに行くのに、親がついて行くのは、まだ、おぼつかないからですよね。

 しっかりした子で、ほんの近所のお友達の家に行くのなら、1人で行かせることもあるかもしれません。それは、子供にもよるけれど、親が、〈行かせてもだいじょうぶだろう〉と判断できるから、行かせているのです。

 つまり、親が子供のできること、何が〈だいじょうぶ〉かが分かっている、ということです。

 私は、これを「親のアンテナ」と言っています。先に書いた〝親力〟の一つでもありますが、携帯電話を子供に持たせるようになり、この親のアンテナが鈍ってきているように思います。

 親が子供のころには、もちろん携帯電話なんて無い時代で、それでも親は〈恐らく誰々と一緒に、あの辺りで遊んでいるだろう〉と分かっていたでしょう。

 携帯が無くても、近所のお店や知っているママに聞いて、足取りをつかめたり、何をしていたか、分かったりしたものです。

 小学生に携帯を持たせているお母さんに話を聞くと、「どこに行ってるか分からないし、場所が分かると迎えに行けますから」と言われますが、携帯があり、GPSが付いてるから、どこにいるか分かるなら、親のアンテナを張らなくていいことになりますよね。

 でも、居場所だけの問題ではなく、〈今、こうしているだろう〉〈この道を通って帰るだろう〉〈お友達とこんなふうに遊んでいるだろう〉〈何々をやりそう〉など、子供の状態をキャッチする力が大切なのです。

 親のアンテナを磨いてきたママと、そうではないママとでは、子育ての対応が大きく違うように感じます。

 家庭の事情にもよるので、一概に「携帯がダメ」とは言い切れませんが、〈携帯を持たせてるからだいじょうぶ〉と、親のアンテナを磨かないままでいると、その先に、困ることになります。

 携帯電話を持たせることは、小学校に上がる前からじゅうぶんに考えて、便利だからと、簡単に与えてはいけないものだと思うくらいが、ちょうどいいように思います。

『芸生新聞』2019年2月11日付付掲載

臨床心理士の考える子育てのヒント

1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。

川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師

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