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児童期編その3「ルールを守れないのは親の責任」

親子コミュニケーション

 ルールについて、親が一番苦労するのが、おそらくゲームをする時間について、ではないでしょうか。

 「1日○時間まで」「夜○時以降はやらない」などと決めていても、土日や、お友達が来た時に、少しずつルールがあいまいになっていき、初めのうちは親も怒ったりするけれど、結局は子供のしたいようになってしまう。〈うちも、そうだわ〉というご家庭が多いのではないでしょうか。

 まず、ルールをきちんと決めておくことです。後に子供が、ネットゲーム、YouTube、スマホを使い始めた時に、大いに困ることになりかねませんから。

 1日に使える時間、何時までならいいのか、きょうだいがいる場合、そのバランスも考えて決めましょう。寝る直前までゲームをしたり、パソコンの画面を見ることは、脳にも眼にも良くないことは知られていますから、そこも考えましょう。

 問題なのは前述のように、多くがそのうちルーズになる点です。また約束させることになるでしょうから、具体的に決めたことを紙に書いておきましょう。

 その際、サインをさせると、一層責任感が増します。そして、一番大切なことは、親が〈そのルールを守らせよう〉と、根気良く付き合うことです。

 「約束したから、守りなさいね」「なぜ守れないの! 決めたじゃない」と感情的に責めてはいけません。子供が〈そろそろゲームを終わらないといけない時間になるな〉と、気付いて終わることができるよう、声を掛けて促し、それができたら褒めることです。

 守れない子供が悪いのではなく、守らせるように育てていない親が手を抜いているのです。なかなかやめられない子には、そばに付いて、ちょっと一緒に付き合ってもいいでしょう。

 ママが一緒に遊んで、そして、区切りの良いところを見計らって、「後はセーブして、明日にしようね」と。それで、やめられないことはありません。親力は、根気がいるのです。そこで手を抜くと、後で、もっと面倒なことになりますよ。

『芸生新聞』2019年6月3日付号掲載

臨床心理士の考える子育てのヒント

1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。

川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師

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するべきことは評価を気にせず、心を行き届かせて行いましょう。