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児童期編その14「内面も育つように子育てを」

親子コミュニケーション

 親として、食べさせていたら子供は大きくはなるし、学校に行っていれば、多少の勉強はするだろうし、「親がなくとも子は育つ」と言われるように、実の親でなくても、親のように育ててくれる人がいれば、確かに子供は育ちます。

 ですが、親(大人)が放っておいて、手を掛けないでいたら、食べることで体は大きくなるでしょうが、内面が育つ訳ではありません。

 内面というのは、自分で考え、判断したり、多少の困ったことでもへこたれず、乗り越えていける精神力を持って、周囲の人と調和を図りながら、やらないといけないことをこなし、やりたいことを見付けていけるようになることです。

 子供の好き勝手にさせておいて、親が子供の成長のために、どうしていくのがいいのか考えることなしに、内面が育つはずはありません。

 「子供みたいな大人」と言われる人がいるのは、内面が育たないまま、体だけが大人になったということです。

 小学生は、その時期に規則正しい生活を送り、学校に行くこと、勉強、宿題をすること、楽しく友達と遊ぶことなどから、内面を育てていけるように、子育てをしていきましょう。

 子供のことで困ったことが起こったら、それは、子供はもちろん親にも成長できるチャンスが与えられたということです。それを見過ごしていくと、子供が年齢相応の成長ができず、もしかしたら将来的に自立できなくなるかもしれません。

 親が手を抜くと、必ず自分に返ってきます。親力を付けていくのは、年を取っても親子ともどもにより良い人生を生きていくようにするためでもあるのです。

『芸生新聞』2020年10月5日付号掲載

臨床心理士の考える子育てのヒント

1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。

川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師

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