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コラム
児童期編その7「食べ物に感謝する心を大切に」
親子コミュニケーション
小学校に入ると、毎日、給食があります。幼稚園や保育園のころから経験しているでしょうが、給食当番がいて、用意をして配膳する一連の作業も生徒がするようになるのが大きく違いますね。
一昔前とは違って、全部食べるまで残される、とかは無くなったでしょうから、今は給食がいやでたまらない子も減ったかもしれません。
きちんと栄養やカロリーを計算され、メニューを工夫して作られているのですから、感謝をして頂くことを、親が心がけましょう。
「おいしくない」「冷めている」「メニューのレパートリーが少ない」などと、不満を見付けたら幾らでも出てくるものです。
気に入らないことがあると、それを口にして、文句を言うことを、親が一緒になってしていては、適応能力の強い子になれません。
家では「嫌い」と言って食べないものを、他の子が見ているから、頑張って食べてみることもあるかもしれません。
大人になってから、給食のメニューを懐かしがることも、よくあることです。皆と同じメニューを、同じ時間で食べることをするこの時期を大切に経験させましょう。
食に関する正しい知識と習慣を育む食育という言葉も、当たり前になってきて、食を通して、子供を育てていくことが言われています。
食べ物に、感謝して頂くことを、ふだんから親が実行し、子供に見せていきましょう。
『芸生新聞』2020年2月3日付号掲載
臨床心理士の考える子育てのヒント
1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。
川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師