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コラム
児童期編その9「宿題は習慣付けることが大切」
親子コミュニケーション
小学校に入ると、お勉強が始まり、宿題が出るようになります。初めのうちは、ゆっくりのペースでなじむように考えられていますし、宿題の量も、そう多くはないことが多いでしょうから、きちんと宿題を済ませることができます。
本来、子供は好奇心のかたまりですから、知識欲にあふれ、勉強、宿題を頑張る気持ち満々です。ママが「宿題したの?」と聞く前に、「もう済ませた!」なんてことが、初めのうちはよくあるでしょう。
でも、次第に宿題の量が増え、難しくなってきたり、お友達との遊び時間ができるだけ長く欲しくなると、滞ってくることがあります。それは、1年生の時だけでなく、2、3年生になってからかもしれないし、高学年になってからかもしれません。
低学年のうちは、小まめに、丁寧に聞いたり、確認したりしていたママも、学年が上がるにつれ、面倒になってきたり、本人に任せっ放しになりがちです。
宿題は自宅学習の基本なので、学校の先生が、本人にさせるように言ってもらうことを期待するのではなく、親が習慣付けするものなのです。
〈1年生の時はしっかり見ていたけれど、そのうち本人任せになってしまった〉ではなく、小学生の間は特に、きちんと宿題をしているか確認をして、習慣付けをしましょう。
子供によって、九九で引っかかるのか、漢字で悩むのか、分数が分からなくなるのか、皆、違います。宿題をしているか、どのくらいの時間で済ませているか、を親が分かっていると、どこかの学習で、我が子がつまずいていることに気付いてあげられます。
その時に分かるように、できるように、先生と相談しながら、親子で根気良く学習に向き合い、乗り越えましょう。
『芸生新聞』2020年4月6日付号掲載
臨床心理士の考える子育てのヒント
1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。
川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師