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コラム
児童期編その10「習慣化させるには、手をかけること」
親子コミュニケーション

宿題と同様、忘れ物をしないようにすることと、時間割りをちゃんと合わせることも、親が習慣化させていくことです。
「先生、本人に言ってやってください」「怒ってやってください」は、違います。親が、しつけとして教育していくことだからです。
時間割りを合わせる時に、一緒に確認するなど、手をかけてあげることが大切で、親が代わりにして、手伝いすぎるのはいけません。できれば、前日に済ませるように、促していきましょう。
子供の「後でする」を信じて、結局朝にバタバタと用意するのも、よくあることでしょう。これは、親が自分の都合で(親が思い出した時に)、「時間割りの用意したの?」と、聞いているからです。
親が、子供をよく見て、アンテナを張って、今、子供がテレビを見終わって立ち上がった、とかのタイミングを捉えて、「今の間に、時間割りを済ませよう」と一緒にランドセルの所に行くと、すんなりできたりします。
「1年生の時は、前日にしていたのに、どうしてできなくなったのか」と言われるお母さんがいます。そのころは、そばについてするとか、子供のタイミングを見て声掛けができていたでしょうが、「今はどうですか?」と聞くと「そこまでは……」の返事。これは、できていないからですね。
習慣化するには根気が要ります。今日できたらから、「明日は、自分でしなさい」ではありません。
1年生の時にできていたことができなくなったとしても、また、できるように、手をかけていきましょう。
これは、甘やかしではありません。手をかけることと甘やかしは違います。これについては、後述します。
『芸生新聞』2020年6月1日付号掲載
臨床心理士の考える子育てのヒント
1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。
川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師