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児童期編その17「大人に話すようには話さない」

親子コミュニケーション

 高学年になってくると、しっかりしてきて、〈いろんなことが分かってきた〉と親も実感できるようになります。そうすると、特に女の子は、おしゃべりが上手な傾向があり、親子で何でも話せるようになってきます。

 だからといって、不用意に大人の会話を聞かせたり、大人に話すようなことを言ったりするのは、やめましょう。

 夫(妻)の愚痴には気を付けましょう。大好きなパパとママが、互いを悪く言うのを子供が聞きたいはずはありません。きょうだいについても同じです。これは、子供の間は、ずっと気を付けておいてほしいことです。

 愚痴るつもりはなくても、「パパはダメね~」とか「お兄ちゃんは、ちっとも勉強しないから、頭が悪いわ」などと、何気なく言うことで、〈そんなことを言ってもいいのだ〉と教えていることになるのです。

 そうするともちろん、ママのことを悪く言ってもいいわけですし、きょうだいでバカにし合ってもいいことになります。

 この先、中高生になった時も、もう大人のことも分かるだろうからと、何でも話して相談できるわけでもありません。

 親が子供に、大人に相談するように話していると、〈頼られている〉と思う子供は、その見えない重圧に苦しむようになったり、あるいは大人をバカにするようになったりします。

 どんなに頭の良い、物分かりの良い子供でも、子供は子供。大人のように扱ってはいけないですし、子供に話してもいい内容かを判断できる親でいましょう。

 子供が働くようになったら、相談相手になってくれるでしょうから、それまでは待ってください。

『芸生新聞』2021年2月1日付号掲載

臨床心理士の考える子育てのヒント

1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。

川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師

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