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児童期編その18「自分のできないことを他で補う大切さ」

親子コミュニケーション

 仕事をしながら、ママ(あるいはパパ)一人で、子育てをしている方もいらっしゃるでしょう。身内の方の協力が得られるとまだ良いのですが、全く一人っきりで育てているという方も、珍しくありません。

 離婚でも死別でも、いかなる理由であれ、子供のことを〈一人親でかわいそうだ〉と思わないでください。〈私の子供に生まれてきて、かわいそうだ〉と思いながら育てると、自信のない子になるのと同じです。

 自分のことを〈かわいそうな人間だ〉と思い、ネガティブで諦めの早い人になっていくからです。

 たまたま一人親になってしまったけれど、ママ(パパ)が、〈できることはするから、一緒にたくましく生きていこう!〉と思って育てると、明るく強い子になります。親は大変なこともありますが、一人親だということが、子供にとってかわいそうなことではないのです。

 ただ、ママが一人で男の子を育てる時には、男性モデルがそばにいません。

 おじさんでも、おじいちゃんでも、お稽古事の先生でも、仕事に就いていて、家族や周囲の人のことも考えることのできる、〈こんな大人になってくれたらいいな〉と思える人が近くにいて、それを見せることができるよう気を付けていれば大丈夫です。

 逆に、パパが女の子を育てている場合は、細かいことに気付いてくれて、体や友達関係の分からないことを、ママみたいに教えてくれる人がいれば大丈夫です。

 男性モデル、女性モデルを身近に感じることができる人がいると、親でなくても、子は学びます。自分のできないことを、他で補うことも〝親力〟です。

『芸生新聞』2021年3月1日付号掲載

臨床心理士の考える子育てのヒント

1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。

川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師

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