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児童期編その22「自立は気持ちの問題」

親子コミュニケーション

 前回、子供にとって最強で最適なハードルを設定できるのは、親であることを述べました。そのためには、子供のすることをよく見て、どんなことができて(できなくて)どう考えているかを、固定観念を持たずにキャッチすることと、それを判断する力が必要です。

 子供は一朝一夕に育つわけではないので、今のわが子の状態を身近で見ている親であればこそ、長い目で見た、学力だけではない課題を把握し、先の成長を促せるのです。

判断するのに、周りの意見に振り回されてはいけません。参考に聞く耳を持つのは良いですが、「誰々がこう言ったから……」と、決める基準にしてはいけないのです。

 まず、あなたが親として自分で判断し、責任を持てる〝自立した大人〟でしょうか。週に何度も、母を呼んで家事をしてもらうのが当たり前になり、「お母さん、どうしたらいい?」「冷蔵庫にこんな食材があるけど、何を作ったらいい?」。

 助けてもらうのも事情によっては悪いことではありません。ただ自立というのは、気持ちの問題です。「仕事の都合で、いつからいつまで、子供を預かってもらえませんか」と、お願いするならともかく、一人暮らしの大学生が母親に助けてもらうような感覚で、〈孫の世話をしたいだろうから、見てもらって当然〉と当たり前のように頼っていませんか。

 今は祖父母となっても若くて元気な方が多く、頼りやすいと思いますが、大事なのは自分が親の責任で育てるべきことをお願いしているという自覚を持つことです。誠意を持ってお願いし、その上で甘え過ぎていないか、〈本当は自分が育てないといけない〉と思えているかを振り返ってみてください。

 後から〈間違った判断をしたな〉と気付いたら、改めるチャンスを逃さないようにしましょう。わが子が周りに迷惑を掛けることなく、自分で身の回りのことができて、働けるように育てる。そのために親が何をしないといけないか。どう接するのが良いのか。何より親が自分で責任を持って判断できる自立した大人にならないと、子供を成長させることはできないのです。

『芸生新聞』2021年7月5日付号掲載

臨床心理士の考える子育てのヒント

1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。

川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師

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