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児童期編その23「判断する力を身に付けさせるには」

親子コミュニケーション

 昨今では、何かしら〈気に入らない〉〈おかしい〉と思ったことを、言ったもん勝ちかのように、行政機関や企業に訴える人が増えました。もちろん、自分の思いを主張するのは自由ですが、ノイジーマイノリティー(うるさく主張する少数派)が、サイレントマジョリティー(黙っている多数派)よりも正論であるかのように主張するケースも多くなっているようです。

 世の中のあらゆることは道徳上、正しいことばかりではありません。おかしなこと、矛盾、理不尽なことはいくらでもあります。それを「これは教育上よくない」「幼児漫画にパンチはよくない」「テレビでそんな映像を映していいのか」などと、何でもかんでも文句を言うのは、どうなのでしょう。

 親であれば、公的に訴えるより、わが子に「これはこういうことだよ」「こう言われているけれど、これが大切だよ」と説明してほしいのです。外からの情報に対し「育児・教育に悪いからやめてほしい」と言うばかりでは、子育てを人任せにしているのと同じです。

 「これはこうだよ」と、親が子供に教えていけば、正しく判断できる大人に成長していきます。社会にあふれる情報の、何が正しくて、どのように考えていけばよいか。その基礎を教えていくことが大切なのです。

 それがしつけ、教育です。「悪影響を与えそうなものは全て排除してほしい」と訴えるのは、目の前にいる子供を育てるチャンスを手放しているようなものです。まず〈わが子に、どう判断できる人になってほしいか〉を考えましょう。

 映像が、学校が、先生が良くないからなどと、うまくいかない理由を外部のせいにしていると、子供は同じように、自分の過失であっても人のせいにしてしまうようになります。親のしていること、してきたことが合わせ鏡のように子供の上に現れるのです。子供を育んでいくためには親がそこを自覚しておきましょう。

『芸生新聞』2021年8月2日付号掲載

臨床心理士の考える子育てのヒント

1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。

川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師

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