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児童期編その25「経験させて育てることが大事」

親子コミュニケーション

 家族で旅行に出掛けたり、レジャー施設に行ったりすると、楽しいけれど出費もかさみます。ただ、そこには〈かわいいわが子が喜ぶなら〉〈思い出をつくってあげられたら〉〈楽しい体験をさせられたら〉など、親の思いがあります。

 他にも、お稽古事、学習塾、スポーツなどの習い事となると、どうしてもまとまったお金がかかります。家計の優先順位もあるでしょうから、全て子供中心にはできませんが、貴重な経験には代えられません。

 そこで私は、キャンプに参加させたり、一人でおじいちゃん、おばあちゃんの所へ行かせたりする時に、「親が全て準備するのではなく、子供に自分で窓口で切符を買わせたり、チケットを並んで買わせたりさせてください」と、時々親御さんにお願いします。

 切符を買わずに改札口を「ピッ」と通れるカードを持たせたり、ネットで買ったチケットを渡したりするだけでなく、自分でお金を持って、列に並んで窓口で買わせるということです。

 本来、こうするものだという体験をさせておくことも大切なのです。

 近頃は激減しましたが、公衆電話を見つけたら、電話のかけ方を教えることもいいと思います。〈スマホなら無料でかけられるのに……〉と、便利なことばかりを追求するのではなく、〝経験させて育てる〟ことをしてほしいのです。

 お誕生日やクリスマスに〈子供の欲しがる物が一番〉と、ゲーム機やゲームソフト、高価なおもちゃを与えるばかりでなく、安全面に配慮した上でのキャンプや一人旅をさせたり、スポーツをしているならプロの試合観戦に連れて行ったり、本の好きな子にはその舞台となった場所に連れて行ったり、絵を描くことが好きな子には美術館やアートイベントに連れて行ったりなど。

 何をさせることがわが子を育むことに結び付けられるかを、親が頭を使って考える、そんな親力を付けてください。

『芸生新聞』2021年10月4日付号掲載

臨床心理士の考える子育てのヒント

1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。

川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師

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