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思春期編その17「子供の力を感じ取ることが大切」

親子コミュニケーション

 もし、子供が学校に行けなくなる、ひどく落ち込んでいる、という状況になったとしても、親としてしばらく見守る、ゆっくり休ませる、などの対応をすると子供の症状は回復していく傾向が多くあります。
 子供の回復力は、大人とは比べものにならないほど大きいと、私は感じています。ですが、それを分かっていない親御さんが多いのも事実です。
 食事も取れなかったり、朝全く起きてこないほどの落ち込みを目の当たりにしたり、学校に行かせようと親子で激しいバトルを続けてきたりすると、〈待とう〉と決めたとしても、〈もしかすると、このまま立ち上がれないのでは〉と思ったり、諦めた気持ちになったりするのは、憂えるがゆえにわが子の回復力を信じられなくなっているからです。

 逆に、〈いつか、自ら生活を正してくれるだろう〉と長期間放置するのも、子供が回復期に来たことを見過ごしたり、気付かなかったりして、回復期に来ていても手を差し伸べていないということかもしれません。
 風邪をひいても、転んで擦りむいても、子供はすぐ治ります。身体的なものと同様、メンタルも大人よりも早く回復します。もし、親として〈子供のメンタルはなかなか回復しない〉と思っているとすれば、それは気付かずに過保護か過干渉になっているのかもしれません。睡眠や食事がきちんと取れているか、好きなことをしているか、笑うことがあるのかなど、子供の回復具合を親として総合的に判断できるようになりましょう。子供の言葉から推し量るだけでは分かりません。

 もう幼稚園児や小学生ではないのですから、年齢に合わせて接していくことも大事です。回復力に限らず、子供がどれだけの力を持っているのかを感じ取れるのが〝親力〟です。もちろん、子供の力は個人差がありますから、親が子供の力を分かっておくことが大切で、決して他人の子供と比べることではありません。

『芸生新聞』2023年3月6日付掲載

臨床心理士の考える子育てのヒント

1998年から中学校のスクールカウンセラーを始め、現在、兵庫県内の小・中・高で生徒、教師、親の相談を受けている。こころの悩み相談「コミュニケーションズサポート」代表。PL学園高等学校卒業。

川嵜由起美(かわさきゆきみ)臨床心理士・公認心理師

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