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プロとアマチュアの違いは何か…。 自分の仕事に誇りを持ち、より充実した生活を送るためのヒントが満載。きっと誰もが今からでも変われます!本当の「自分」を発見し、マンネリズムから脱出しよう。 1982年(昭和57年)から1984年(昭和59年)までに連載された、芸術生活社発行『自己表現』の「プロフェッショナル研究」を原文のままお届けします。

「物を見抜くコツを養おう」プロフェッショナル研究 Chapter16-1

ビジネス
16-1

プロは、一目で本物とにせものを見分ける鋭い眼を鍛えている。

本誌や、PL、芸生新聞、プラズマなどに書いている
原稿を読んでくださっている方が多いせいであろうか、
よく地方のいろんな会合に出てきて話をせよと言われる。
そんなことでもなければ読者と直接ふれ合う機会はないのだから、
スケジュールの許す限り出かけて行って皆さんと交流することにしている。

例えば壮年講座などに呼ばれて行くと、
お集まりの方々にはいろんな職業の方がある。
その中にはいわゆる専門家=プロフェッショナルの人がいて、
こういう人たちは恐ろしい。
と言っても答えにくい質問をさせるというようなことでなく、
眼が鋭いのである。

あるとき、会が終わって誘われるまま外出して一杯やっていたら、
「先生、良いネクタイされているのに、
そのネクタイピン、ネクタイが泣きますよ」とやられた。
確かにそのとき私は亡くなられた第二代教祖様からいただいたネクタイをしめていた。
フランス製で買えば一万円以上するもの。
ところが、ネクタイピンのほうはポケットマナーで買ったガラス玉で五百円ほどの代物。
宝石商のその人は、演壇に立った私を一目見ただけで「あっ」と思われたそうな。
別に注目して見るわけじゃない、見えてしまうのである。

「先生、その安物服、何とかなりませんか」と言われたこともある。
「先生は大本庁からおいでになった、いわば教団の顔です。
それがそんな服を着ておられて、洋服屋の私がついていて何だということになりますから……」
と言いにくそうに言われた。これがプロフェッショナルの眼である。

映画の仕事をしていたころ、
花火師の人たちに教祖祭の映画を見せた。
画面に花火が映るたびに「あ、これは××煙火さんだ」
「これは〇〇屋さんだ」と、一つ一つの花火について、
どこの会社の製品か一目で見分け、「これは昨年の分じゃないか」など、
撮影の都合で入れこんだ古いものまで見分けられて恐れ入ったことがある。
その上「うちはもう少し良い花火をあげたはずなんですが、
どうして映らないのでしょうか」とたずねられて返答に困った。
どの花火をどの煙火師があげたかなんてこと、
今でもまるでわからない。えこひいきをしようにも、
する実力がまるっきりないんだから、
疑われたのは買いかぶられたってことになろう。

アマチュアには全然わからない違いを、
一目で見分ける鋭い眼、プロフェッショナルにはそれがある。
「ただいま」と帰った私を見るなり「ネクタイにしみをつけて」
と言う妻は、妻としてのプロフェッショナルなのであろうか。
「そんなことを言う前に『お帰りなさい』が言えないのか」
と怒る私は亭主としてアマチュアなのであろう。

つづく

月刊『自己表現』1983年10月号から原文のまま

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